このサイトを見られているかたは、すでに「ブルガダ心電図」とは何かについてご存じかもしれませんが、一応、おさらいをしておきます。
ブルガダ症候群とブルガダ心電図の違い
ブルガダ症候群とは
遺伝性不整脈の診療に関するガイドラインより(2022年2月8日更新)
ということで、「心室細動」という致死的な不整脈を起こしてしまうリスクの高い状態のひとを「ブルガダ症候群」と診断しているようです。
ただし、この「ブルガダ症候群」だと「確定」するには、電気生理学的検査(心臓カテーテルによる心室細動の誘発)や薬剤による心室細動の誘発、遺伝子検査など様々な検査を総合することとなっています。
確定診断をするための検査や植え込み型除細動器(ICD、S-ICD)の適応については、ガイドラインの改訂や各専門の医師の見解で異なるようなので、主治医と相談して検査や植え込み型除細動器の適応を考えていくことになります。
ブルガダ心電図とは
ブルガダ心電図とは、ブルガダ症候群に「特徴的な心電図所見」を示す状態・・・。
って、同じでは?と思われるかもしれませんが、必ずしも致死的な心室細動を起こすわけでは無いという見解が一般的のようです。
つまり、今までに失神、「心室細動が確認されている」といった、症状がない状態で、前述した精密検査でもなにも異常が指摘できなかった場合には、ただ心電図波形が「ブルガダ心電図」だというだけで、命をいますぐにでも脅かすような病気ではないということのようです。
おしまいに
というわけで、ブルガダ症候群とブルガダ心電図の違いについて振り返ってみました。
私の場合は、電気生理学的検査(心臓カテーテルによるEPSという心室細動の誘発)、心臓超音波検査(心エコー)、遺伝子検査(大学病院からの申し出があったので、無料でした)、ホルター心電図、12誘導心電図、加算平均心電図の検査を行いました。
薬剤で心室細動を誘発する検査はしていません。
この、疾患(病気)は、かなりマニアックな医師が取り扱う内容ですので、同じ循環器の医師であっても、臨床判断が過剰になり過ぎたり(すぐに植込み型除細動器を植え込みましょうといわれたり)、症状がなく前述で提示したガイドラインで「推奨グレードが低い」からと、放置される事にもなりかねないので、必ずブルガダ症候群を専門とする医師に診察をしてもらえるように相談などされたら良いかと思っています。
コメント